特に年末年始の写真はないので5月の荒川
時の流れる早さは年々加速していて、毎年もう一年が終わったのかと新鮮に驚ける。
あっという間に終わった2024年を振り返ると、そのスピードのせいだけではなくこれといったハイライトが見当たらず、表に出ている結果だけ見ればかなり低空飛行な一年だったように思う。
ハイライトどころか十年に一度レベルで難しい仕事にしてしまったこともあったし、SandSの方も縁やタイミングもあって一昨年のような大きな作品発表もなく、そもそもプロジェクト自体も少なかった。
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こう書くとかなり暗い一年だったように聞こえるけど、別にそういうわけではない。言ってみれば「内省の一年」として必要なプロセスだったと思うし、そういう面ではかなり実りもあった。
Takram入社当初の「ビジネスデザイナー」から肩書を「プロジェクトデザイナー/ドラフトデザイナー」に変えて、ドラフトデザインとプロジェクトデザインについて考えるnoteを書き始めたのが4月。このテーマでTAKRAM RADIOにも呼んでもらった。
ドラフトデザインとプロジェクトデザインの関係性は新しい概念だけど、書いたり話したりして反応をもらったりするうちに、粗い仮説でも段々と練られていくのだなということがよく分かった。本にするにはまだ今の倍くらい書かなきゃいけないけど、来年くらいには本にできたらいい。
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SandSの方もプロジェクトが少なかった分、5期目を迎える前に一度腰を据えて改めて何をやりたいのかを考え直せたのは良かった。
形だけのシングルページで間に合わせていたWebサイトももう少しましに作り直したし、自分たちの独自性がどこにあるのか、何ができて何をやりたいのかも言語化した。その中で色々展開しやすいツールとして本やカードも作ったので、うまく今年以降の仕込みとして活用したい。
去年もひとつSFプロトタイピングも書いたけど、年末にかけてチームでかなり見込みのあるアイデアも出てきたので、今年はこれをじっくり練って骨太な作品に展開したいと思っている。
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こういう一年になったのはそれぞれの活動の流れやバイオリズムに拠るところが大きいけれど、個人的にも「40代に立ち向かう準備」をしていた感じがする。
37はまだ30代半ばと言えたけど、38ではもうはっきりアラフォーであることから逃げられない感があり、まだ時間はあると先送りにできることが少なくなってきた。いざそうなってから焦らないように、このあたりで一度荷物の整理と見直しをしておくような一年だったんだと思う。
そういう意味ではかなり準備は整ってきたはずなので、今年は準備で終わらずにせめて助走くらいにはもう少し表にアウトプットや成果を出せるといい。